今週の一冊:眠れなくなるほど面白い睡眠の話
- 2024年03月26日
- カテゴリー:今週の一冊
2020年初頭より新型コロナウイルス感染症が猛威を振るって全世界で多くの死者を出す事態となりました。この禍によって、人々が自身の生活習慣を考え直し睡眠の重要性を再確認するきっかけの年にもなりました。
十分で良質な睡眠は免疫機能を向上させます。
睡眠時間別の発症率を調べたところ、睡眠時間5時間未満の人たちは7時間以上寝る人に比べて、発症率がおよそ3倍にもなりました。
睡眠には、細菌やウイルスに対する抵抗力、つまり自然免疫を強くする効果があるといえるのです。さらに予防接種をしていても、睡眠が十分でないと抗体反応が弱く、その効果が認められなかったという報告もあります。
◇睡眠不足で太りやすくなる本当の理由
夜更かしをすると、つい余計なものを食べてしまいがちです。
起きている時間が長いから食べる量が増えるのではなく、睡眠不足により、食欲にかかわるホルモンが影響を受けているからです。
睡眠時間が短いほど、食べ過ぎを抑制するホルモンのレプチンが減り、食欲を増すホルモンのグレリンが増えていることがわかりました。
つまり短時間睡眠によって、ホルモン量が変化し、食欲が抑えられなくなることで食べすぎてしまうのです。
◇日本人は世界一眠らない国
1日の平均睡眠時間は、多くの国が8時間超えるなか、日本人は7時間22分と33か国中ワースト1でした。
睡眠時間6時間未満の人が東京には多くいるのだとわかります。
眠らないことによる弊害はさまざまな観点から指摘されています。
◇睡眠は自律神経やホルモンバランスを整える
自律神経は、心臓をはじめとする内臓の働きや体温、代謝などの調節を24時間休むことなく行っています。
健康な状態であれば、日中は活動モードの交感神経が優位となり、食後や睡眠中はリラックスモードの副交感神経優位に自然と切り替わります。
ところが、現代人のライフスタイルは緊張やストレスから交感神経優位の状態がつづきがちで、脳も体も疲れやすくなってしまいます。
睡眠は活発な状態の交感神経を弱めて、副交感神経を優位にする役割を担っているのでその機能をうまく生かしたいところです。
今回は本の中のほんの一部を紹介しました。
睡眠は生きていくうえで基本的でもっとも重要な生理現象です。
規則正しい生活を送るとともに、睡眠に対する科学的な理解を深めることで、良質な睡眠が導かれるので興味のある方は読んでみてください。