今週の一冊:敏感すぎて生きづらい人のこころがラクになる方法
- 2024年04月30日
- カテゴリー:今週の一冊
今週の本は精神科医である長沼睦雄さんが書かれた「敏感すぎて生きづらい人のこころがラクになる方法」という本を紹介していきます。
あなたは、あらゆることに敏感すぎて生きづらさを感じていませんか?
もしかしたらあなたの敏感さは、「HSP」ならではかもしれません。
HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリーセンシティブパーソン)といい、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人のことです。
HSPには大きく4つの特性があります。
- ・過剰に刺激を受けやすい
- ・深く処理する
- ・ささいな刺激を察知する
- ・全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い
このように繊細で感じやすく、傷つきやすいという特徴があり、生きづらさを感じてしまう人が多いようです。
今回はHSP、もしくはHSPに当てはまるかも?という人に対して、心がラクになる方法をいくつか紹介していきます。
◇ストレス源からできるだけ離れましょう
HSPは様々な些細な刺激に敏感に反応し、まっさきに脳の自律神経中枢が刺激されます。
他の人以上に、頭痛、めまい、吐き気、だるさ、動悸といった自律神経症状が出てしまう傾向にあるのです。
こういった場合は一度、化学物質から離れてみましょう。
一般的に市販されている洗濯洗剤、食器用洗剤、シャンプーやボディーソープなどは、合成界面活性剤や芳香剤といった化学物質が配合されているものがほとんどです。
そういった製品を天然成分のものに変えてみると不調がぐっと改善されるかもしれません。
◇自律神経の乱れを改善する
HSPの不調は自律神経の乱れによるところが大きいです。
自律神経には、緊張時や活動時に活発になる交感神経、休息時に働く背側迷走神経、交感神経に急ブレーキをかける腹側迷走神経がありますが、長い間ストレスにさらされているとすべての神経が高ぶった状態になり、自律神経の自然な調整ができずに崩れていってしまうのです。
自律神経のバランスが崩れてしまっている状態での「まだ頑張れる」は「もう無理」のサインです。
「まだ頑張れる」と思った時点で仕事や家事をいったん止めて、休息をとるようにしましょう。
HSPはストレス耐性が低く、人一倍自律神経が高ぶりやすいことを自覚して心身を休ませるように心がけましょう。
◇自分を許せず責めてしまう
HSPの人は、自己肯定感や自己重要感が低い傾向にあります。敏感すぎることを親や先生や友達から否定されて育ってきたためです。
他人に否定されたとしても、少なくとも自分が自分を否定するのはやめましょう。
否定されて苦しい、悲しい、つらい・・・その気持ちをしっかり受け止め、なぐさめてあげましょう。
たとえば、ささいなことを責められてしまったら、「失敗してばかりの私ってダメだなぁ」と思うのではなく、「また失敗しちゃった。でも私、よく頑張っているし、大丈夫、大丈夫!」そんな自分を受け容れるのです。
また、「あの人がイライラしているのは私のせいかも」と自責の念にかられたら、過去の体験を思い出すのではなく、それを客観視してください。
それは本当にあなたのせいですか?仕方のない出来事だったのではありませんか?
弱いあなたも大切なあなたの一部なのです。
◇プラスの感情や感覚に集中する
不安や恐怖などネガティブな感情、痛い、気持ちが悪いといった負の感覚は、マイナス思考とリンクして、影響し合っています。
不安だったり、不快なことがあったりするときにマイナス思考になるのは当然と言えるでしょう。
ですからプラス思考に切り替えたいときは、とにかく、心地よい、おもしろい、嬉しいといった「ワクワクする感情」や、気持ちいい、温かいという「モフモフする感覚」を作ることが必要です。
ワクワクできる映画やお笑い番組を観る。お気に入りのアロマキャンドル灯す。お風呂にゆったりと入る。モフモフのペットやぬいぐるみに触れる。方法はなんでもかまいません。
プラスの感情や感覚を大切にしてみましょう。
普段から忙しくなかなか自分の自律神経が安定せず敏感になってしまっている人は多いかと思います。
「何をやってもうまくいかない」「今の自分ではなにもできない」「悲観的な見方や考え方をやめられない」という方にはお勧めの一冊になりますので是非読んでみてください。