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「のび太」という生きかた

こんにちは。今週もきになる一冊をご紹介させていただきます。
著者、富山大学名誉教授の横山泰行さんが書かれた「のび太」という生きかた
のび太という生き方

横山先生は富山大学で教育学を研究したり学生に教えたりされていました。横山先生の研究の中で大きな存在を占めるのが「ドラえもん学」です。「ドラえもん学」とは、国民的マンガ『ドラえもん』を徹底的に調べるという学問で横山先生が提唱されたものです。
のび太の行動やセリフに興味深いものがとても多かったのです。

のび太は、勉強はクラスでずっと最下位で野球の打率は0.01などスポーツも大の苦手な冴えない男の子。ママや担任の先生からも叱られるのは、もはや日常茶飯事です。何もかもうまくいかない印象の「ダメのび太」ですが、のび太という男の子は、実は想像以上に人生を上手に歩んでいるのではないかと思ったそうです。

●のび太メソッドを使えば誰でも成功する!

のび太の人生は一見して失敗の連続ですが、のび太は人生の重要な節目においては着実に夢を叶え、負け犬・のび太から勝ち組・のび太に変身しているのです。「のび太メゾット」は、どんなダメな奴でも夢が叶う、魔法の法則です。みなさんの人生にも役に立つようなヒントがたくさん詰まっているのでいくつか紹介していきます。

●ドラえもんは野比家の将来を明るくするためにやってきました。

のび太くんを幸せにすることが、未来の幸せに繋がるからでした。
ひみつ道具やドラえもんの力でのび太は成長していきます。
『ドラえもん』では、ひみつ道具の登場しない作品は非常に少ないです。
そして、大部分のひみつ道具には、常に何らかのメッセージが込められています。
基本的なスタンスは「ひみつ道具に頼らないで、自分の力で問題の解決に対処することがベストである」なのです。
こうして成長していくのび太の姿は、隠れた長所を引き出しているのです。
のび太が生まれながらに持っている優しい気持ちや、動物や植物を心から愛する気持ち、いつまでも変わらない幼いころからの夢などが、ひみつ道具によって叶う方向に向かったり、思い出したりします。

現代社会と共通する点についてお話しします。

のび太のおもなトラブル作品は582作品。

1.友人関係
2.のび太本人
3.家庭
4.学校
5.恋愛
6.遊び・運動
7.金銭

と、いったカテゴリーに大きく分類できます。

『ドラえもん』をよく読んでみると、パワーハラスメントなどのいじめ、不登校、自殺願望といった問題から、環境問題など、現代社会が抱える問題をほとんど取り込んでいます。

メソッド① ⇒ 人間関係で悩む→完璧をいきなり目指さない
メソッド② ⇒ やる気がでない→深く考えずやってみる
メソッド③ ⇒ 苦手意識が強い→簡単に実現する成功を体験する
メソッド④ ⇒ 妬むよりも、相手の長所を素直にホメる

↑のび太は悪口はあまり言わず、すぐ行動を起こすのです。この姿こそ学ぶべきでしょう。

まずは他人のすばらしい面を素直に「いいな」と肯定する姿勢が必要です。
肯定することで、現在の自分の行動をより高い次元まで伸ばす契機になったり、一歩ずつ夢に向かって前進するきっかけになることもあります。

ドラえもんのひみつ道具を使って日々成長しながら過ごしていくのび太ですが、最後はドラえもんがいなくなっても大丈夫なのか?ドラえもんがいなくなることにも、のび太は受け止める力を持っています。当たり前の人間関係こそ大切にする。でも依存し過ぎない。

人との別れはたいていの場合突然やってきます。そのきっかけは実に様々。何気ない日常は、実に貴重なもの。と感じていることだと著者は話しています。

ドラえもんがいなくなって以来、落ち込んでもしょうがないから明るく過ごそうと、のび太は決意します。のび太の性格はとにかくマイナス面ばかり目がいきがちです。しかし、彼は人との別れも受け入れ、前向きに生きるという美点もあわせもっています。

のび太は人付き合いを通して「自分の幸せを優先する人」と「他人の幸せを優先する人」の2種類があると気づきます。のび太は後者にあたります。失敗や負ける心を心ゆくまで楽しめる!そんな風に思えるのび太は弱虫なんかじゃないと思います。

アニメや漫画で描かれていないのび太とドラえもんの関係性や、考え方に気づかされ、現代社会においてためになる点が多く思うので、是非手に取ってほしい一冊です。