3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方
- 2020年11月04日
- カテゴリー:本の紹介
みなさんこんにちは。
今月紹介する本は、日本テレビの人気キャスター小西美穂さんによる初の著書「3秒で心をつかみ10分で信頼させる聞き方・話し方」です。
仕事や家庭、学校など、さまざまなシーンで目上の人、社会的地位の高い人、過ごしている世界がまったく異なる人と一緒になり、「何を話せばいいのだろう?」と困ってしまうことはありませんか?
あるいは、気難しい人やシャイな人、なかなか本音を言ってくれない人と、会話が弾まずに途方にくれてしまうような経験については、いかがでしょうか?
小西さんはそういった経験がたくさんあり、苦労や失敗を重ねてきました。
この本は、そういった経験から、さまざまな相手とのコミュニケーションを円滑にし、良好な関係を築くためのコツやテクニックをご紹介していくものです。
コミュニケーションは特別な才能ではありません。ちょっとした意識や工夫で、誰でも身につけることができる「技術」です。
このことは、小西さんがキャスターという仕事を通じて、失敗を乗り越えながら強く実感してきたことです。
初めてお会いする方と瞬時にコミュニケーションをとり「生放送の1時間1本勝負」という、撮り直しのきかない限られた時間で、ゲストの言いたいことや本音、魅力を引き出す。それがずっと小西さんに求められてきた役割でした。
「相手をいかにリラックスさせ、いい話や本音を引き出すか」
「なぜ一流の人は会話が上手いのか」
この2つがポイントになってきます。
「コミュニケーションの達人」あるいは「話の達人」と聞いて、どんな人を思い浮かべますか?
知識豊富で次から次へと話題を提供できる人。
理路整然とスマートに言葉を並べ立てて、周囲から尊敬される人。
小西さん自身もキャスターになったばかりの頃はこんな風にイメージし、知識を詰め込む勉強に力をいれていました。でも、実際にやっていくうちにそれは違うと気づいたのです。
生放送終了後、スタッフさんから褒めていただく時。それらは決まって、私も相手も両者ともにリラックスできていたときでした。
緊張せずに普段どおりの自分で話すことができた。
相手も楽しく話し、聞いてくれた。
そんな実感を持てる会話ができたときには、目の前の相手に対して「また会いたい」とプラスの感情が生まれます。
つまり、「コミュニケーションの達人」とは「また会いたい」と思わせる人です。
そう思わせるにはどうしたらいいのでしょうか?
少しだけ紹介します。
①3割増しの笑顔で心の扉を開く
初対面での笑顔には、2回目以降の対面の何倍もの「人の心を開く力」があると思います。
笑顔を心がけるだけで、グッと相手の親近感が増し、その後のコミュニケーションを円滑にする強力なパワーがあります。
緊張すると筋肉はこわばってしまうもの。
いつもの3割増しを意識するくらいでちょうどいい笑顔になります。
②雑談ネタには「旅行」「食べ物」「飲み物」
今は価値観やライフスタイルが多様化しており、共通の話題に迷ってしまいます。
かつては、サラリーマンの鉄板ネタだった「野球」も、いまでは関心のない人が多く、テレビそのものを見ない人も増加しています。そんな中「旅行」「食べ物」「飲み物」が共通の話題になってきています。
「行ってよかった旅先」「美味しかったお店」「好きなお酒」をあらかじめ考えておいて、相手に振ることで、会話のきっかけにできます。
③相手がもっと話したくなる「うながす」フレーズを使う
会話を上手に進めるには、「それで、どうなったのですか?」「具体的に、どういうことですか?」のような呼び水となるフレーズが有効です。
イメージは、話の行き先をガイドしながら、そこにボールを投げてもらう感じです。
相手は「次はこっちね、それを話せばいいのね」と迷わず話すことができます。
もし、会話をつなげるフレーズが思い浮かばなかった場合は「オウム返し」というテクニックを使ってみましょう。相手の言葉の最後をなぞるだけで、無理なく会話が続いていきます。
④「予告ワード」「前置き」をうまく使う
予告ワードとは「結論から申しますと」「大事なポイントは」といった、これから話す内容の重要性を予告することで、相手側の聞く準備が整います。
聞きながら次の意見を考えることができ、意見が発しやすくなります。すると、会話の流れがスムーズになって、議論が深まる相乗効果があるのです。
しかし「ちょっと準備不足な点はありますが」「緊張して話がまとまらないかもしれませんが」といったネガティブな予告ワード。言い訳から始まる予告ワードは恥をかきたくないという自己防衛の心理のあらわれです。聞いている方にとってはストレスになる可能性があるので避けるようにしましょう。
⑤落ち込んでいる人には「マイナスの同調」が有効
明らかに元気がない人に「どう?慣れた?」「元気でやってる?」という声掛けは、相手の負担になる可能性があります。本当に心が弱っている人にとっては、質問に否定で返すだけでも大きなエネルギーを必要とします。
落ち込んでいる人には、「マイナスの同調」をしてみるといいかもしれません。
「どう?まだ慣れないよね?」「最近、忙しいからうまくいかないことが多いんじゃない?」など、相手に寄り添って小さな声を代弁してあげる。そうすることで、ぐっと本音が言いやすい雰囲気になります。
キャスターつとめながら、小西さんがずっと試行錯誤し、一流の方の会話術を学びながら蓄積してきた技術は、これまで自分だけのものとして何冊ものノートに記録し、大切にしてきました。その中から、皆さんの生活にも役に立つのではないかと思う部分だけを取り出して紹介するのがこの本です。
職場でも、夫婦の間でも、「聞き方」「話し方」を変え、磨くことで、関係は劇的によくなるはずです。
コミュニケーションに悩んでいる方や、さらにうまくなりたいと思っている方に読んでいただきたい一冊です。