今週の本の紹介:1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書
- 2021年01月19日
- カテゴリー:本の紹介
今週ご紹介する本は、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」です。
こちらの著書の内容は、月刊誌致知(ちち)で掲載されていた、各業界の一流の政界、経済、経営者、スポーツ選手、学術、教育など各界を代表する著名人の仕事の在り方、考え方、道徳観など、インタビューや対談記事を一部抜粋したものを1冊の本にまとめた傑作集です。
文字通り、1月1日から12月31日まで全365ページあり、毎日1ページ読める本となっております。
この本のすごいところは、先人たちの人生や仕事、生き方、原理原則など、今の時代を後押しする言葉が満載で、この1冊で拝読できるという点と、人間力、仕事力が高まる記事が掲載されている点です。
『致知』(ちち)という月刊誌をご存じない方もいらっしゃると思いますが、簡単に言うと日本で唯一の人間学を学ぶ月刊誌です(一般の書店には販売しておりません)。
有名無名、ジャンルを問わず、各界各分野でその道を切り開いてこられた方々の貴重な体験談の紹介や、人間力・仕事力を高める記事が掲載されていて、生きていくためのヒントがあります。
過去・未来にもたった一つしかない、尊い命をどう生きるかを学ぶのが「人間学」です。
本著に掲載されている著名人の方々の中に、よくテレビなどで拝見したことのある方もいれば、名前だけでも知っている、という方も掲載されています。
なにより1日1話読むだけ。ですが、内容はとても濃いものとなっており、比較的ゆっくり読める本となっていると思います。
掲載されている各業界の著名人の方はこのような方々です。
〇稲盛和夫(京セラ名誉会長)知恵の蔵をひらく
〇王貞治(福岡ソフトバンクホークス球団会長)プロは絶対ミスしてはいけない
〇佐藤可士和(クリエイティブディレクター)ヒット商品を生み出す秘訣
〇佐渡 裕(指揮者)奇跡を起こす方程式
〇張 富士夫(トヨタ自動車相談役)現場には仕事と無駄の二つしかない
〇羽生善治(将棋棋士)自分の状態を測るリトマス試験紙
〇道場六三郎(銀座ろくさん亭主人)仕事にも人生にも締め切りがある
〇山中伸弥(京都大学IPS細胞研究所所長)「おかげさま」と「身から出たサビ」
その中から、一部の方のインタビュー記事をご紹介します。
1月3日に載っていた方は、道場六三郎さんの「仕事にも人生にも締め切りがある」です。
道場さんは修行当時、いつも思っていたことがあり、
「人の二倍は働こう」
「人が三年かかる仕事を一年で身につけよう」
と思って修業時代を送っていたそうです。
下積みの期間をできるだけ短くして、早く一人前の仕事がしたかったから。
そのためには、できるだけ早く動いて、仕事量をこなさなくてはいけない。
だから、修行時代からずっと「早く、きれいに」を念じながら、仕事をしてきたそうです。
駆け出しのころは、こんなことをしていたそうです。
ネギを切るとき、人が二本持って切っていたら、僕は三本持ってやる。
それができたら、四本、五本で挑戦してみる。さらに違う野菜でもやってみる。
そうすると仕事が早く片付くだけでなく「きょうは一本多く切れるようになった」と励みになると。
スピードアップだけでは、人の二倍の仕事をすることはできません。
「効率よく働くには段取りが大切です」
冷蔵庫の使い方一つにしても、工夫次第で仕事に差が出ます。
できる料理人なら開けなくても、どこに何が入っているか分かっているものです。
「冷蔵庫の開け閉めなんて些細なことだ」と思うようでは、一流の料理人にはなれません。
そういう細かいところまで意識が回り、先の先を読むくらい頭を働かせないと、少しぐらい料理の腕があっても大成しない。
仕事にも人生にも締め切りがあります。
それに間に合わせるためには、時間を無駄にせず何事もテキパキとこなさないと。
これはどの仕事にも言えるんじゃないかなぁ。
という記事でした。
ほかにも渡部昇一(上智大学名誉教授)「幸田露伴が発見した成功者の法則」の記事にはこんな文章が載っていました。
「失敗したら必ず自分のせいにせよ」
幸田露伴の説くシンプルな一言は、人生を後悔しないための何よりの秘訣だという事がかかれていました。
幸田露伴という人物は、人生における運を大切に考えている方で、人生における成功者と失敗者を観察し、一つの法則発見します。
「大きな成功を遂げた人は、失敗を人のせいにするのではなく自分のせいにするという傾向が強い」
物事が上手くいかなかったり、失敗してしまったりした時、人のせいにすれば自分は楽です。
あいつがこうしなかったから上手くいかなかったのだ―あれがこうなっていなかったから失敗したのだ―物事をこのように捉えていれば、自分が傷つくことはありません。
悪いのは他であって自分ではないのだから、気楽なものです。
だが、こういう態度では、物事はそこで終わってしまって、そこから得たり学んだりするものは何もありません。
失敗や不運を自分に引き寄せて考えることを続けた人間と、他のせいにして済ますことを繰り返してきた人間とでは、かなりの確率で運の良さがだんだん違ってくる、という事です。
幸運不運は気まぐれや偶然のものではありません。
自分の在り方で引き寄せるものなのです。
一部抜粋して内容をご紹介させていただきました。
いかがだったでしょうか?
誰も真似することのできない物語を、歩んでこられたからこその言葉だったり、365人の著名人の365通りの人生観が本著に詰め込まれています。
現在このような世界的に産業や経済が厳しい状況下に置かれている中、経営もままならず、廃業、倒産していく一方で、私たちは生き延びていかなければなりません。
本著のなかの先人たちも激動の時代の中で「いかに生きるか」を考え生き抜いてきました。
心が折れそうなとき、もうだめだと思った時こそ、この本を読んで、一つのバイブルとして手に取っていただきたいと思うおすすめ本です。