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今週の本の紹介:苦しかったときの話をしようか

今月紹介する本は、森岡毅さんが書いた『苦しかったときの話をしようかビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』です。

苦しかったときの話をしようか

この本を書こうと思ったきっかけは娘さんの就活だったそうです。

「自分が将来、何をしたいのかわからない」

就活を目の前にして悩む娘に、言いたいこと、伝えたいことはたくさんある。

けれども、直接助けを求めてきたわけではない彼女は、父親の「将来どんな仕事がしたいのか」という問いに圧力を感じて、その場から逃げてしまう。

親として何がしてやれるのか、何かやれることはないかと考えて、父は娘にアドバイスとなることを書き綴りました。

それが本書「苦しかったときの話をしようか」の発端となる出来事です。

 

森岡さんはP&Gでヘアケア製品などを担当し、その後USJに転じて苦境にあったテーマパークでマーケティング手法とアイデアを駆使して急成長の軌道に乗せました。

凄腕のマーケターとして名をはせた人です。

 

やりたいことがわからないのはなぜか?

どんなものがあるのか、それらのオプションを知らないからわからないのだろうか?

つまり、社会にどのような職業選択の可能性があるか、その一つ一つをよく知らないから、自分にとってやりたいことがわからないということなのか?

しかし多くの人の悩みの本質は、それではないと確信しています。

問題の本質は、君が世界のことをまだよく知らないことではなく、君が自分自身のことをよく知らないことだと気づけば、解決への扉が開くでしょう。

問題の本質は外ではなく、君の内側にあるのです。

やりたいことが見つからないのは、自分の中に軸がないからです。

そして軸がないのは、君が就職のサイコロの振るこのタイミングまでに、自分自身を知るための努力を十分に行ってこなかったことに起因しています。

自分の中に基準となる軸がなければ、やりたいことが生まれも選べもしません。

最終的には、今の君の精一杯の価値観で、君が「軸」を決めるしかない。

そして、その価値観も軸もさまざまなことを経験していく近い将来で変化するかもしれません。

いや、きっと変化するでしょう。

それでいいのです。

価値観が変化したら、その時点でアップデートすればいいだけです。

経験とともに、ライフステージとともに最も大切のものが変わることがあります。

だから未来に「軸」が変わることは恐れなくていいのです。

 

会社と結婚するな、職能と結婚せよ

会社に依存するのではなく、自分自身のスキルに依存するキャリアの作り方を強く勧めます。

文字通り就職活動であって就社活動ではありません。

個人にとって会社はスキルを身につけるための手段です。

自分の宝物をよく見つめて自分がプロとして身につけるキャリアをまずは見極めないといけません。

会社よりもキャリアがはるかに大事な理由は主に2つあります。

1つ目は、君がいくら会社に惚れ込んで結婚したくても、会社はどうしても君とは結婚できないからです。

今は安定しているように見えても、どんな会社も10年後や20年後はどうなるかわかりません。

会社がどうなろうか、君が自由に生きていける前提を考えなければなりません。

2つ目は、スキルこそが相対的に最も維持可能な個人財産です。

家は焼ける、お金は盗まれる、配偶者でさえ離婚や事故、病気でいなくなる。

しかし、頭の中に蓄積されていく能力だけは健康なかぎりは常に共にあり、君のために生活の糧を生み出すでしょう。

身についた能力こそが何よりも大切な財産です。

 

キャリアというのは、何十年も走り続けるマラソンのようなものです。

森本さんの話は「アリとキリギリス」のアリになることを強要する、厳しくてしんどい話ばかりだと思っている人も少なくないでしょう。

要約すると「目的に応じて、自分の特徴を強みに変えて、死ぬまで磨き続けろ」という話に聞こえるからです。

森本さん自身も好きではないことに、コツコツ努力を続けることが苦手だったので「そんな努力ばかりできないよ」という気持ちもよくわかります。

だからこそ「好きなこと」に集中しろと言っているのです。

好きなことでないと努力は継続できない。

この社会で結果を残す優秀なプロと呼ばれる人々は、もれなく「その道で努力を積み重ねることができた人」であって、その正体は「努力できる好きなこと」を見つけられた発見の成功者なのです。

『この世界は残酷だ。しかし、それでも君は確かに、自分で選ぶことができる!』

この本では、一度しかない人生を輝かせて、あなたらしく生きるためのノウハウが詰まっています。

あなたが持って生まれたものをよく知り、自分自身の特徴を最大限に生かす飛び方を知りさえすれば、間違いなくあなたは今よりもずっと高く飛ぶことができるはずです。

就活に臨む若い世代、キャリアに悩むすべての人に読んでいただきたい一冊です。