今週の一冊:あなたは、あなたの言葉でできている
- 2021年05月11日
- カテゴリー:本の紹介
今週の本は、ゲイリー・ジョン・ビショップさんが書いた
「あなたは、あなたの言葉でできている」という本についてご紹介していきます。
本書では、「行動を起こしたくてもなかなか実行できない方」「物事をネガティブにとらえ、行動に移せないといった」結果を出せない、物事がうまくいっていないんじゃないかと、感じている方にオススメできる本です。
私も色々と考え、シュミレーションをしたり、行動する時に自分は今、どう相手に写っているのか等、様々な事を考え行動をしていますが、振り返ったときに「あれはどうだったんだろうか?」と考えては、少しネガティブな思考をしたりしてしまう所があるので、本書を手に取り読んでみました。
本書の最初には「人は常に自分と会話している」というところから始まります。
会話には二種類あり、他の人とする会話と、自分との会話に分類され、実は人間の一番の話し相手は「自分自身」なのだと話しています。
そして頭の中に自動的に浮かんでくる思考には、ほとんど無反応なのに対し、自分が重視する思考に関しては過剰に反応するとも。
神経科学や心理学の研究では、自分と「なに」を話すかが、人生の質を左右することが証明されており「言葉は幸せな人生を送るためのカギになる」と、とても大きなキーワードにしています。
けれど、今すぐにポジティブな思考を持つ必要もないと語っています。
なぜなら、ネガティブな思考も使い方によっては大きな力になるからです。
「言われたからこれをやるけど、ほんとはやりたくない」など、イヤだというネガティブな思考がありますが、その「イヤだ」を宣言し、自分の否定の意志と向き合うことで、自分自身との人生を正しく評価することが出来るようになります。
思考の使い方でネガティブも自分にとってプラスに働きかけることが出来るため、ネガティブを無理に克服する必要は有りません。
ただし、自分にネガティブな声を聴かせるのは控えましょう。
それは人生の大敵で、「大変だ」と自分に言うほど本当に大変な気がしてくる。
つまりに自分にネガティブな会話をすればするほど、気がつかないままその通りに行動をしてしまいます。
ローマ皇帝のマルクス・アウレリウスは「大切なのは、辛い時に『なんて不幸なのだ』と思うのではなく『頑張れる機会が得られて運が良い』と思うことだ」と辛い時だからこそ、物事を前向きにとらえることが、幸せにつながる言葉を残しています。
自分と会話する内容で幸せになることが出来ると、ここまでのお話でご理解いただけたと思います。
しかし、自分と会話する時のほとんどは無意識に行われています。
無意識だったらどうしようもないと、思った方がいるかもしれませんが、自分の脳を少しづつ鍛え直せば大丈夫です。
では、どう鍛えるのかというと、無意識にこなせるようになるまで
「繰り返した行為が習慣になるように、強力かつ積極的な言葉を使い続けること」
「自分のためにならないしゃべり方ではなく、自分のためになるしゃべり方を意識すること」
「自分は~だ」「受け入れる」「主張する」といった現在進行形の言葉を使い、「~するつもりだ」とか「~が目標だ」といった言葉は避けること。
自分自身の起きている問題や目的をはっきりさせ、宣言をする、そして曖昧な表現ではなく、自分の意志をしっかりと乗せた言葉を使っていく。
私は、仕事が始まる前にスタッフの方たちと朝礼をします。
その際に手を上げ発言をしますが、それだけでも自分の方向性が高まり、仕事に更に集中して取り組めます。
発言をしたり、宣言をするだけでもこれだけ変わるので、強い言葉使いを意識すればもっと良くなるかもしれないと感じました。
自分の気持ちの整理や目標の明確化が出来たら次にするべきは行動です。
うまくいかない時もあると思います。
問題が起きたり失敗をしたりと「私にはできない」や「無理なのか?」等と思う方もいると思います。
それも一回二回だけでなく、何度も感じた方も。
時には小さな問題が積み重なり、後々思い返してみると大きなものに見えてしまうこともあるかもしれませんが、そんな時は問題や世界の見方を変えることが必要であると、著者は語っています。
問題に直面した際に、そこから一歩下がる。
一歩だけでなくもっと、もっともっと下がってみて、人生の全体像をありのままの姿で見られる場所まで下がり、想像力を働かせる。
自分の人生を端から端まで、一本の線路のように左から右へ伸びている景色を想像する。
そしたら線路の左側をずーっと向こうに目を見ける。
そこに見えるのはあなたの過去です。
次に特に気になる記憶をピックアップしていき、夢のような思い出や、心が傷ついた悲しい出来事等をすべて目にして、その時あった問題を思い出しましょう。
今ある問題と比べてみるとすごく似ているところがあると思います。
そして似たような問題が過去に起きた時、その問題を解決し乗り越えてきたと思います。
自身を客観的な視点で見つめ、問題に一つ一つ向き合い、集中して進めていく事が大切です。
問題をひとまとめに解決しようとしてわけが分からなくなるのは、大荒れの海の中、方向が分からないまま舵を握るのと同じです。
必要なのは思考の正確性と忍耐、そして規律です。
それぞれの問題にさまざまな解決策を使って取り組みましょう。
もし解決策が無くても、それはまだ見つかっていないだけで、問題との距離が近すぎているから見えないのかもしれない。
少し、又は大いにズームアウトして全体像を眺めて見ましょう。
これは心理学者が「認知再構成法」よぶテクニックと同じものです。
問題の見え方をシフトさせることで、問題解決に役立てば幸いです。
問題や世界の「見方」を変える1つの方法についてお話をしましたが、何故これが大切なのかというと、人間の心は「ごく当たり前に本人をだまし」変な風に思考を歪めてしまうからです。
本人は常に理性的だと思っていても、実際はそうではないことがあるようです。
人は認知バイアイスや感情、勘違いに影響を受けていて、そしてそのほとんどの人は気づくことさえもできずにいるといいます。
私も後から自身を見つめ直す時、「なぜあの時はあんな大事に捉えてしまったのか?」と思う所が多々あります。
問題に翻弄されてしまうときもありますが、自分自身の無意識に大きな影響を受けてながら問題や物事に取り組むのは、ただそこで足踏みをしているだけだと感じたので、一つ一つの問題をただ取り組むのではなく心を落ち着かせながら、「私にはできる」と自身に声を掛けながら取り組んで行たいと思います。
問題を客観的にとらえられるようになったら、こう主張しましょう。
「私にはできる!」
これまで様々な問題が目の前に現れても、乗り越えてきたからこそ今がある。
前にできたのだから今回も乗り越えられる!
「私にはできる!」と宣言しましょう。
行動が変われば自然と考え方も変わり、自分と会話する言葉も変わります。
「言葉が変われば、あなたは変わることが出来ます。」
いかがだったでしょうか?
あなたは、あなたの言葉でできている。
この文章を深堀するだけでも、多くの事を学ぶことが出来ますが、実際に本を手に取って読んでみると、何故できないのかと悩んでいた時を振り返る際に、思い当たるところがたくさん出てきてとても面白く、勉強になる一冊でした。
考え方もそうですが、行動したいけどなかなかうまくいかない方にオススメの本となります。
このブログを読んでご興味が湧いた方は是非一読頂ければと思います。