今週の一冊:ゼロからはじめる!お金のしくみ見るだけノート
- 2021年08月10日
- カテゴリー:本の紹介
こんにちは。
今週ご紹介する本は、「ゼロからはじめる!お金のしくみ見るだけノート」です。
監修は伊藤亮太さんです。
皆さんは、お金のことに関してどのくらいご存知でしょうか?
普段から買い物をしたり、貯金をしたり、税金や保険のことお金の役割について考えたことはありますか?
当たり前のように身近にあるお金の仕組みについて私たちは考える必要があります。
世界と比べてみても、日本は金融教育が普及しておらず、お金について何も知らず、社会人になってしまう人が数多くいるのです。
ただ、今からでも遅くはありません。
お金について知らないという事が当たり前だったからこそ、使い方や、付き合い方が重要になります。
お金のしくみや知識を得ることで、振り回されたり、騙されたりすることもなくなるでしょう。
難しいと思うかもしれませんが、そんな人にこそ読んでもらいたい1冊です。
お金の始まり、貯蓄や保険のこと、年金や税金、現代のお金の仕組みのことまで、図やイラストでわかりやすく書かれているので、誰でも簡単に理解できる内容となっております。
1.お金についての基礎知識
①お金はどうやってはじまったのか
現在の私たちは、欲しいものがあればお金を支払うことで手に入れることができます。
ですが、大昔は、物々交換でそれを手に入れてきました。
ただ、物々交換は取引の成立に時間がかかります。
自分がAというものを持っていてBを欲していたとします。
自分がBを手に入れるためには、Bを持っていて、なおかつAを欲している人を探す必要があったからです。
そこで登場したのが、米や布といった物品貨幣の取引です。
これこそがお金の始まりになります。
これらは誰もが比較的欲しがるモノであり、誰もが納得できる値打ちを持っていました。
肉や魚などの生ものよりも保存が利く為、物々交換の仲立ちとして、現在のお金のような役割を果たしたからです。
米や布、肉や魚などと比べれば保存はあったけれど、時間とともに傷んでしまいます。
もっと丈夫で長持ちする仲立ちとして、金や銀などを加工した貨幣が登場するのですが、これらは大量に持ち歩くのに不便でした。
そこで、金や銀を預かり、その引き換えとして預かり証を出す、「両替商」ができます。
これらが、紙幣や銀行の始まりです。
金と交換できることを金本位制といいます。(日本では、1931年に廃止になりました。)
現在の紙幣は、使う人みんなが「この紙幣には価値がある」という信用で、お金として機能してゆきます。
②お金には3つの役割がある
1つ目の役割。買うとは「交換」のことです。
2つ目の役割。物の価値の尺度。お金があることで、モノの価値を数値化することができます。
3つ目の役割。価値を貯める。肉や魚は腐ってしまうと価値が下がってしまいますが、お金の形であれば価値をためておけるからです。
お金の価値は「信用」がないと成り立ちません。信用がなくなれば、お金のかちは暴落することもあります。
2.暮らしに身近なお金のしくみ
①お金をためておく理由
2017年現在、日本の平均寿命は、男性は約81歳、女性は約87歳と大幅に延びております。
老後に必要なお金は長寿になった分、昔と比べると確実に増えています。
若い人はバリバリ働いて、稼ぐ力を持っていますが、体力の衰えたお年寄りには稼ぐ能力がありません。
それだけに、先を見据えた貯蓄が必要になってきます。
人生には、さまざまなライフイベントがあり、大きな支出をまかなうためには、月々の収入から少しずつためておく必要があります。
最低でも、生活の3か月から6か月分は貯金をしておいた方がよいとされています。
その理由は、自己都合で仕事を辞めた際に、雇用保険から給付金がもらえるまでに3か月ほどかかるからです。
理想的なお金の貯め方は、年収の2割を目指すと理想的だそうです。
毎月の収支がプラスマイナスゼロという人は、ボーナスを貯蓄に回すというのもありです。
ですが、子育て世代はなかなか出費がかさみ、貯蓄が難しいといわれています。
そういう時は、無理をせず、貯めやすい時期に貯蓄額を増やして平均で2割を目指すといいとのことです。
収入があったら先に貯蓄分を差し引いて、残りのお金でやりくりするのが貯蓄のコツです。
3.もしもの時に役立つお金のこと
①社会保険とは?
社会保険とは、日本に住んでいる人は原則として加入しなければならない制度です。
病気や怪我などで働けなくなるなど、困難な場面に備えるために社会保険があります。
この保険には、5種類あります。
(1)医療保険(健康保険):保険証を病院にだすと受診料が安くなる。
(2)年金保険:高齢になったときなどにお金がもらえる
(3)雇用保険・(4)労災保険:失業した時や、ケガや病気をしたときにお金が出る
(5)介護保険
ちなみに、介護保険は40歳以上の人が加入します。
公的な介護保険は2000年に開始されました。
家族に代わり国が面倒を見るという方針に変わったからです。
以前は、老後の面倒を子供が見るのが当たり前でしたが、今は、国民全体が高齢化し、核家族や晩婚化が増え、親族による介護が困難になり、このような制度になりました。
介護保険の支払いは40歳からはじまり、原則65歳から介護サービスを受けることができるようになりました。
介護保険の適用には認定が必要です。(介護認定は7段階の評価がある)
サービスを受けるには、市町村に申請し長時間を要する認定が必要です。
介護士の人手不足など、その制度は万全ではありません。
4.車の任意保険は必ず入りましょう
法律で加入を義務づけられた自賠責保険、自分の意志で加入する任意保険があります。
自賠責保険は相手にケガをさせた場合は最高120万円、相手を死亡させた場合は最高3000万円を補償してくれます。
最も高額だった賠償額の判例に、5億843万円というものがあります。
大きな数字に思われますが、人身事故はときおり高額な賠償を要求されることがあります。
また任意保険であれば、保証はすべて無制限にすることが可能であれば加入することをお勧めします。
事故をおこせば、治療費、慰謝料など相手方に対する補償は多岐にわたり、金額も莫大なので、そのための任意保険なのです。
相手方の保険会社と交渉するのは自分自身になるので、弁護士特約をつけておくと便利です。
5.日本銀行はどんなところ?
銀行には総本山というべき国の中央銀行があり、わが国では日本銀行といいます。
この銀行では、貨幣を発行・管理して日本全体の通過流通量を調節しているのです。
各市中銀行の当座預金があり、ある銀行からほかの銀行への決済業務を行っています。
日本経済の発展・安定に欠かせない銀行ですが、政府の機関ではないのです。
政府も日本銀行を利用しています。
政府は日本銀行に口座を持っていて、私達から集めた税収は日本銀行に集められています。
国に代わり、事務処理を行っていて「政府の銀行」とも呼ばれているのです。
一般の方は直接利用をすることができませんが、私たちの生活に多大な影響力を持っている機関なのです。
当たり前のように使っているお金ですが、今や活用方法やあり方がどんどん様変わりしてきています。
今やお金を知らないと世の中が見えてこないことばかりか損することもありますし、知っておけば得することもあります。
これからの生活で必要不可欠なお金の知識があれば、今後あなたのお金が増えるかもしれません。
先行きが不安な今だからこそ、もう一度お金の付き合い方を学んでみませんか?