今週の一冊:超筋トレが最強のソリューションである
- 2021年10月05日
- カテゴリー:本の紹介
今週は健康についてお話をしていきます。
ご紹介する本は「超筋トレが最強のソリューションである~筋トレが人生を変える超科学的な理由~」です。
著者は、testosterone(テストステロン)さんです。
本書は、testosteroneさんがスポーツ科学を研究している久保孝史さんへのインタビュー形式となっており、たまにtestosteroneさんが大真面目にふざけたりしながらも、しっかりとした根拠(エビデンス)を元に筋トレの重要性を科学的にお話ししていく内容となっております。
最初は、testosteroneさんの自己紹介から始まります。
testosteroneさんは高校一年の時は、体重110kgの肥満児でしたが、アメリカで「筋トレ」と出会ったことで、人生が180度変わり、40kgの減量に成功しただけでなく、怠惰だった自分もなくなり、代わりに心身ともに健康や目標を達成する力、闘争心や自尊心といった大事な力が筋肉とともに体に備わっていったそうです。
そんなtestosteroneさんが書いた本書の第一章の最初には「死にてぇって思ったら筋肉を殺そう」といきなり心の健康の話が出てきました。
「筋トレの話はどこ?」と感じますが、実は筋トレには、心の健康を向上させる働きが、科学的根拠によって裏付けされているというのです。
特に、心の健康に悪影響を与える可能性が高い「焦燥感」「不安感」「慢性痛」「睡眠の低下」「自尊心の低下」などに対してポジティブに働くそうです。
はっきりと学説が固まっているわけではありませんが、筋トレをすることで分泌される「テストステロン」や「セロトニン」などのホルモンが関係してくるのではないかと言われています。
では、そのホルモンは具体的にどんな働きがあるのでしょうか?
まずは著者名でもあるテストステロンから説明していきます。
テストステロンは、骨や筋肉の強度の維持、動脈硬化やメタボリックシンドロームの予防、やる気や闘争心の向上などの効果があるとされています。
次にセロトニンは、心を落ち着かせ安定させる、脳を最適な状態にする、痛みを調節するなどの効果があり、別名「幸せホルモン」と呼ばれたりします。
「ドーパミン」「βエンドルフィン」「ノルアドレナリン」は多好感や気分の高揚、興奮など効果があり、筋トレをすることで気持ちが楽になるだけではなく、脳の状態も良くなり、体が健康的に鍛えられつつ、仕事の成果も上がりやすくなるといった、目に見える効果も期待できます。
筋トレをすることで、先ほど話した心の健康に悪影響を与える因子も解決できます。
「焦燥感」は寝不足や不健康から来るものであれば改善される可能性があります。
肉体的に疲れることで睡眠の質が向上し、ホルモンのお話でも登場した動脈硬化やメタボリックシンドロームの予防により寝不足と健康の不安が解消されるため、結果として焦燥感を減らすことができます。
「慢性痛」では、長期間(概ね3か月ぐらい)の痛みの要因は、腰痛や関節炎、線維筋痛症などがありますが、筋トレは体の機能改善をしてくれるため効果的だといわれています。
アメリカのリウマチ学会でもリウマチ疾患に対するアプローチとして筋トレを推奨しています。
「自尊心」についても筋トレはすごい効果を発揮することが、スポーツ科学や心理分野における113本の論文で、「筋トレは自尊心を保つ、もしくは高めること」が報告されています。
testosteroneさんも「自分を好きになれる」のが、筋トレの一番の効果だと言っており、自己管理をして理想の体を手に入れて、上げられなかったバーベルを挙げて、鍛えぬいた自分の筋肉を鏡で眺められたら、自分のことを好きにならないわけがないと強く話しています。
第一章を簡単にまとめると、「健全なる精神は、健全なる肉体に宿る」という言葉があるように、体を鍛えることで安定した心をつくれることが科学的に証明されています。というのが分かりやすく書かれています。
そして第一章の最後には実録漫画が載っており、強迫神経症の男性が筋トレに出会うことで病を克服し、新たな夢と目標を目指すという内容が描かれ第二章に続きます。
いかがでしたでしょうか。
今回のブログでは、筋トレをすることで様々な効果が得られることについてご紹介させていただきました。
たまにtestosteroneさんの趣味や性癖が暴走してりして「いや、それはどうでもいい」と内心突っ込みを入れたくなりましたが、その情熱と経験からくる自信は本物なので、筋トレについて深く知りたい、どのように筋トレをすればいいのか等、興味や悩みがある方にはぜひ読んでいただきたい作品となっております。
読んでいて気になったのは、専門の先生が解説をしているため専門用語や英文が多くない程度に出てきてしまうところがありましたので、わからないところは随時検索していく必要性があるのは、紹介文にも書いてあった「わかりやすい言葉で解説してもらった」というところにひっかるなと感じました。
本書は第一章から第八章まで書かれており、それぞれがとても興味惹かれるテーマとなっていますので興味がある方は、是非ご一読いただければと思います。