今週の一冊:眠る投資ハーバードが教える世界最高の睡眠法
- 2021年11月16日
- カテゴリー:本の紹介
今週紹介する本は「眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法」です。
日本ほど睡眠に関心が高い国はないそうです。
テレビ番組や雑誌、ウェブ記事など「睡眠特集」は年齢や季節、ブームに関わらず身近に溢れています。
一方、海外の学校や職場で行われる「睡眠教育」は、日本にはあまり浸透していません。
近年、健康経営の考え方が広まり、一部の企業では、新入社員研修や管理職研修として、睡眠教育が取り入れられつつあります。
体調の良し悪しに関わらず、働く人たちは「睡眠が大事、改善したい」と問題意識を強くもっているそうです。
忙しくても成果を出し続けている人は、正しい心身のリズムづくりと正しいリカバリー方法を知っているのです。
日常生活では気づかず、自覚できない心身の不調が現れるのが睡眠です。
寝つきが悪くなる、夢をたくさん見る、起きても疲れが取れない・・。
こうした夜の睡眠の兆候には気づくものの、睡眠の乱れによる日中のパフォーマンス低下は、最初に自分で意識できないことも報告されています。
睡眠リズムの乱れは、昼間の集中力・反応力の低下につながります。
ミスが多い、停滞感、やる気が起きない、ブレインフォグと呼ばれる頭にモヤがかかった状態は、うつ病の方だけでなく、ハードに働くビジネスパーソンにも多く見られる症状です。
こうしたパフォーマンスの低下が、脳のネットワーク異常によって引き起こされているそうです。
なにかに集中しているときは「意思」のネットワークCEN(集中力、意思)が働いている状態です。
CENとシーソーのような関係にあるのが、DMN(ぐるぐる思考、ひらめき)です。
DMNは、ぼーっと考え事をしていたり、記憶を整理したり、ひらめくときに働いているネットワークです。
ADHDなどは、DMNの脳のネットワーク異常とのかかわりが明らかになっています。
このCENとDMNを調整するのがSN(調整)です。
これは顔の動き、胃や腸などの消化管、自律神経系、免疫など身体の情報を脳に伝え、脳ネットワークの切り替えをおこなっています。
CENとDMNの切り替えをうまく調節する。
SNを上手に使うことが仕事に必要な脳パフォーマンスを適切に発揮するために必要なのです。
心の波と身体の波
人生には受験、仕事、友情、恋など自分ではコントロールできないさまざまなイベンドがおこります。
生きている限り色々な感情を味わいます。
人間には心の波と身体の波があり、心の波と身体の波は連動しています。
心の波は自分ではコントロールできません。
自分でコントロールできるのは身体の波です。
身体の波が安定しているかを確認する一番の指標が睡眠です。
わかりやすいのは起きてから3~4時間後に眠気がないか、さわやかに頭が働いているかどうかが目安になります。
この時間帯に脳の動きが一番よくなります。
では、どのような睡眠をとった方がいいのでしょうか。
◇朝にしたい睡眠の投資
・朝の光で覚醒と眠りのスイッチを入れる
脳の体内時計は、太陽の光を浴びることがスイッチとなります。
毎日同じ時間帯に5分以上太陽の光に当たると、睡眠のリズムは安定するようになります。
・朝の用事をつくる
休日は午後まで寝だめして、休日明けに体調が悪くなるとお悩みの方ほど、休日の朝に用事をつくることはおすすめです。
プラスマイナス1時間以内に起きるようにしましょう。
◇お昼にしたい睡眠の投資
・計画睡眠
起床して4時間後に一番頭は冴えますが、起床後8時間後になると生理的に眠気がおこり、脳のパフォーマンスが落ちます。
計画睡眠のコツは、眠くなる「前」に「計画」仮眠をする、仮眠時間は10分~15分にとどめる、目を閉じるだけでもよいです。
夕方にしたい睡眠の投資
・深部体温を上げる
人間は深部体温が下がると眠くなり、深部体温が上がると覚醒します。
夕方の運動は深部体温を上げることにつながり、夜眠るときに深部体温が下がりやすくなり、夜の深い睡眠をつくります。
・16時以降は寝ない
◇夜にしたい睡眠の投資
・寝つきが悪ければ、ベッドから出る
眠くないのにベッドは逆効果の努力になっています。
脳は単純ですので、眠くないときにベッドにはいると「ここは眠る場所じゃないんだ」と認識し、ベッドに入ると目が覚めてしまう状態になるのです。
部屋全体の明かりを点けると覚醒してしまうので、明かりを落として、デジタル機器から離れて本を読んだり、ラジオを聴くのも良いでしょう。
ここでは、睡眠の事ですが他にも食事や運動、脳の使い方についてたくさん書いてあります。
よい睡眠をつくるには、意識がない夜の睡眠にアクセスするよりも、意識がある日中の活動にアクセスした方が実行しやすいのです。
睡眠に悩んでいる方、興味のある方はぜひ読んでみてください。