今週の一冊:弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉
- 2021年12月07日
- カテゴリー:本の紹介
こんにちは。今週ご紹介する本は『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』
著書は、スポーツメンタルコーチの鈴木颯人さんです。
メンタルコーチとは、競技選手のメンタル面からサポートする仕事になります。
アストリートの100%の能力、結果を出すためのコーチング(相手の話に耳を傾け、観察や質問をなげかけながら、提案し、相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法のこと)を主にされています。
私達は、よくテレビや雑誌などで、トップアスリートたちのポジティブな言葉に励まされ、勇気づけられることがあったのではないでしょうか?
ですが、そんなトップアスリートでも、時には弱音をはいたり、メンタルが落ち込んだりすることもあるという事です。
アスリートの方も人間です。
一生ポジティブでいつづけるひとなど、この世にいないと思います。
本書は、読者の方で、今にも心が挫けそうな人を対象に、アスリートの言葉を解説しながら、メンタルのサポート、自分と向き合っていただくことを目的に書かれています。
◇スタートの言葉を励ます言葉
◎負けをどう受け止めるか?
先のことは心配せずに、ひとつひとつレースを戦っていこう。
最終的には勝てればいう事ないし、負けたとしてもこの世に終わりがくるわけじゃない。
(セバスチャン・ベッテル)
F1において史上最年少ワールドチャンピオンをはじめ、数々の最年少記録を樹立したセバスチャン・ベッテルさんの言葉です。
この方の言葉は、勝ち、負けよりも結果を求めるのではなく「結果を出すためにはどうしたらいいのか?」を考えています。
多くの選手は、何故か「結果」よりも「成長」に目を向けていることが多いのです。
どう成長するかで結果が変わることを信じているからでしょう。
◎負けるのが恥ずかしいとは思いません。
(高橋尚子)
負けをどう受け止めるかによって、成長のスピードは大きく変わってくるかもしれせん。
心理学的には「レジリエンス」という言葉があり、精神的回復といわれています。
簡単に言うと、「失敗しても、また頑張ろうという気持ち」です。
挫折や敗北を経験し、それを乗り越える体験をするのは、早ければ早いほどいいからです。
レジリエンスを鍛えることによって、大きな挫折や、繰り返しの挫折によってレジリエンスが磨かれてゆきます。
大きな舞台で夢を叶えたいと願うのであれば、早く挫折を経験することが大切です。
◇感謝の持つパワー
メタ認知能力を鍛える方法は様々にあります。
より簡単に、手軽に結果が出る方法、それが「感謝」です。
感謝が持つパワーは科学的のも証明されています。感謝し続ける人ほど、脳細胞が増えることがわかっています。
ジャンプにしても、私たち選手が朝、会場に着くよりも早く、たくさんに人がきて作ってくれているから飛べるんですね。
それを考えると感謝せざるを得ないというか、感謝せずにいられないです。
(高梨沙羅)
鈴木颯人さんが、高梨選手にアドバイスしたのは、「感謝のワーク」です。
「この場に立てることが、どれだけ有難いことか考えたことはありますか?その理由を5つ以上書き出してみてください」とのことでした。
試合の直前は、緊張と不安で限界値を超えてしまう選手が数多くいます。
「あの選手は強そうだ」「この試合に勝てるだろうか」と。
自分自身を客観的にみる視点は失われがちです。
ここで意識を「感謝」という視点に目を向けてみます。
高梨選手にとっては、久々の大きな舞台だからこそ、その場にたてる感謝や喜びを見つけることに意味があったそうです。
感謝のワークをしてみたら、「自分の弱点は全部伸びしろなのだと気づけました」と、語ってくれたそうです。
彼女のメタ認知能力が高まっていることを実感した言葉でもありました。
多くの方にも普段から「感謝」を見つけることを習慣化してほしいという事です。
毎日1つでもいいので小さな感謝見つけ、ノートに書くことで、今何をすべきかに意識が向くはずです。
◇挫けそうな心に効く言葉
努力の質を疑え!目標を変えろ!
目標のレベルが高くなれば、野球のレベルは高くなる。
僕はそれができる存在になりたい。
(大谷翔平)
打者と投手、二刀流でメジャーリーグで活躍をみせる大谷選手。
人が現実的に考える目標よりも上を行く目標設定に感銘を受けます。
このような目標設定ができると、努力の質が変わってきます。
具多的な例で挙げると、100メートルを12秒代台で走っている人が、10秒台を目指す際に行う努力と、11秒台を目指す際に行う努力は明確に変わってきます。
目指す頂によって努力の質、準備は自然と変化してくという事です。
努力の質を高めたいならば、目標を変えることです。
今までと同じ目標設定にしないためには、自分の心に素直になることが大事なのです。
アスリートたちは常に、結果を出すこと求められています。
ですが、それ故に、悩みを持ち、結果を出した後で苦しむ人もいるわけです。
私たちも、結果を出す以上に大切なことがなんなのかを考える必要があります。
それは、成長の過程に注目することであり、他人の利益を考えることであり、競技そして人生そのものを楽しむことなんだという事です。
この本で、自分がしんどい、つらいと思った時に、勇気づけられる1冊になってほしいと思います。
弱いメンタルに向き合いながら、成長できるチャンスだと思って・・・。