今週の一冊:スタンフォード式疲れない体
- 2022年03月15日
- カテゴリー:本の紹介
今週ご紹介する本は「スタンフォード式疲れない体」です。
著者は山田知生さんです。
この本では、各種世界大学ランキングで、常に最上位のスタンフォード大学が、今までの研究結果と統計学的な考え方に基づき「疲れない体」の作り方をご紹介する本となっております。
本書はプロローグ、0章から4章と大きく5つに分かれていますが、その中で私が気になったところを3点ご紹介していきます。
本書を読んでいて、全体的に思ったことは重要なところには線が引いてあり、各内容の最後にグラフや人体図、疲れない体づくりのやり方等が図で記されているため、文章だけではわかりづらい内容も、図と照らし合わせることで、理解がしやすくなっているところです。
普段本を読んでいる方でも、人体に関係する専門用語が出てくると理解できなくなってしまう事もあると思いますが、図を見る事で話していた内容が理解しやすくなっています。
専門用語も日本語に訳してあり、読んでいて意味が分からない言葉は少なくなっています。
次に私が気になった内容は、「疲れない体」をつくるための基本についてです。
各章ごとのテーマに沿って本書は進みますが、その中で一番基本となる第1章のテーマ「呼吸」についての内容を少しご紹介します。
スタンフォードでは、トレーニングや体のメンテナンス等をする際に「IAP呼吸法」を使っています。
IAPとは、日本語で「腹腔内圧(腹圧)」を意味します。
つまり、お腹の圧力を上げて呼吸をするというものです。
なぜ、これを取り入れるのか?
それは、人の構造上お腹を膨らませることで、疲れにくくなることが、科学的に証明されているからです。
腹圧が高まることで、体幹が安定し、体の軸がブレにくくなります。
安定性が高まることで、姿勢を保ちやすくなり、体への負担も少なくなり、動きやすくなることで「疲れにくい体」をつくることができます。
やり方は簡単で、息を吸いながらお腹を膨らませたら、息を吐く時もお腹を膨らませたまま、これを繰り返し維持するだけです。
私たちも体の歪みを正す施術をしていますが、多くの患者様は体を支える体幹の力がなかったり、使えていなかったりしています。
体の安定性が欠けてしまう事で、日頃の疲れや負担が蓄積され、症状が出てしまいますが、この呼吸法を使うことで、予防できるので、詳しく知りたい方は、本書を読んでみることをお勧めします。
次に私が気になった内容は「疲れを残さない体」をつくるために、疲労の解消や次の日に疲れを持ち越さないようにする考え方と方法についてです。
本書では2章にあたります。
第2章では、疲労の解消を目的とした内容となっています。
その中で一番最初になる内容が、世界の中でも特に日本人は疲れていると書かれていることです。
これにはとても驚きました。
それほど世界から見た日本は疲れているという認識があるのでしょう。
ブログを読んでくださっている皆さんは、疲れたと感じた時、何をしますか?
恐らく、多くの方が寝たり、家でダラダラしているのではないでしょうか。
実はその行動が、疲れが取り切れない原因になっています。
本書では、週末の寝溜めでは睡眠不足が解消されないことが分かっていること、じっとしているだけでは、疲れが増える可能性があることも書かれています。
では、どのようにすれば疲れが取れるのか。
まず大前提として、「休憩」や「慢性的な疲れに対して体を伸ばす」ことでは、根本的な解決にならないことをしっかりと覚えてください。
では、原因は何なのか?
それは「体を使う際に妙な癖がついている」からです。
体を動かす際に、自然となっている姿勢や動かし方が、自分が使いたいように使ってしまう事で、体のバランスが崩れ、疲労がたまってしまうのです。
例えば、椅子に座る際に脚を組む事や、肘掛けを使う際に片方にだけ体を傾き続けるといった、姿勢が崩れている姿勢をしてしまう事が疲労につながります。
疲れをとるためには「体の変な癖」を改善することです。
しかし、自分自身では体の使い方の癖を自覚したりするのは、とても難しいので本書では「動的回復法」というものを用いて「体の疲れ」と「体の変な癖」を、一緒に解消するアプローチのやり方が紹介されています。
詳しくは本書に載っています。
いかがでしたでしょうか?
今回のブログでは「スタンフォード大学 疲れない体」についてお話してきました。
本書は、内容ひとつひとつがとても面白く、図も多く活用しているため基礎知識がない方でも、理解しやすいように配慮して書かれた一作となっております。
このブログを読んで、興味が湧いた方は、是非ご一読頂ければと思います。