今週の一冊:バナナの魅力を100文字で伝えてください
- 2022年06月14日
- カテゴリー:本の紹介
今週は健康についてお話をしていきます。
ご紹介する本は「バナナの魅力を100文字で伝えてください」です。
著者は、編集者の柿内尚文さんです。
この本のテーマは伝わる方法ではなく、「伝える」方法を順を追って気づかせてくれる内容となっています。
本書は大きく分けて序章に始まり、1章から5章までの構成となっており、ページ数は電子書籍でおよそ270ページで構成されています。
そしてページを進むにつれて、漫画のようなイラストがあったり、具体的なポイントやコツなどを太線でまとめていたりと、読んでいて飽きにくい一冊になっております。
私が本書を読んでみてあらためて気づいた点、面白いなと思った点を3点ほどご紹介していきたいと思います。
序章では、伝わるためにどのような法則や技術があるのかがいくつか挙げられていますが、この本を読んでいく中で一番最初に押さえておきたいベースがあると読んでいて感じました。
それは「伝わる」と「伝える」は似ているが大きな違いがある事です。
「伝わる」は相手主体のとらえ方であり、「伝える」は自分のとらえ方であるということです。
この違いがあるからこそ「伝えた」では相手に「伝わらない」ことが起きてしまい、相手はわからなくなってしまうのです。
今まで「わかりやすく伝えたから大丈夫だろう」と思っていたが、相手には伝わらなかったといったことは多くありました。
その考え方はある意味自分本位だったのだと改めて気づくことができました。
言葉が少し違うだけで意味が大きく変わってしまい、気づかないうちにそれが自分にとっての当たり前になってしまうからこそ、言葉の学習は大切なのだと思いました。
次に面白いなと感じたのは伝え方の技術で、「自分の性格を切り離して伝える」という内容です。
この技術のメリットは、こんなことを言ったら相手に嫌われるかもといった不安があったとしても伝えることができることです。
本書のやり方では自分がイメージする「伝え方がうまい人」を真似をすることがおすすめだそうです。
伝えたい内容が相手に伝わらないと、相手の中に存在しないものになってしまうと作者の柿内さんが話しており、確かにその通りだなと思いました。
自分が伝わるようにしなければ相手は分からないまま、不安なままでいてしまう。
そうならないためにも、しっかりと伝わる言葉を話せるもう一人の自分が必要だと感じました。
少し余談になりますが、「松岡修造の人生を強く生きる83の言葉」という本には「二重人格は素敵だ!」という言葉があると本書に書かれているのですが、確かに通ずるところが感じられるなと思いました。
次に気になったのは「伝えるのが面倒な人」への対策案です。
この内容は第五章で「すぐに否定する人」「話が通じない人」「重箱の隅をつつく人」「話が広がらない人」「話しかけにくい人」の5種類の対応策がありますが、この章の目次を見た際に1番困難だと考えたのでこちらをご紹介したいと思います。
まず初めに、どうしても伝わらないと思うのであれば無理にコミュニケーションをとらないという選択があるので無理をする必要はないということだそうです。
職業柄、どうしても伝わらなければならない内容を話さなければならないので、こんな選択肢がある事が驚きでした。
この選択肢の理由はどうしても伝わらないと思うのであれば、そこに時間をかけても伝わらない可能性があるからというもので、確かに時間を無駄に消費するのなら別の内容を次々話していったほうが効果的だと思うので、説明すべき点は話して伝わらなければ無理にしないような選択をしてみたいと感じました。
次に人には自分の理解できる範囲でしか理解しませんという内容で、そのためにどうしても伝わらないことが起きてしまうため、その場合はあきらめることも必要だそうです
しかし、あきらめるといっても伝えることをやめることではなく、「あきらめる」からスタートするらしく、どうやらあきらめるには2種類あるらしいです。
ひとつは「諦める」。投げ出す、執着しないという意味でマイナスの意味を持ちます。
もうひとつは「明らめる」といい、仏教の世界で生まれた言葉だそうで物事を明らかにするという意味です。
あきらめるからスタートするということは、なぜ伝わらないのかという理由を明らかにすることだそうです。
使う場面としてはあまりないらしく、ゴールの再確認や自分時間の価値の再確認などのために柿内さんは使うそうです。
伝わるために伝わらない原因を見つけるのは必要だと読んでいて改めて感じました。
いかがでしたでしょうか?
今回のブログでは「バナナの魅力を100文字で伝えてください」についてお話してきました。
本書のタイトルからは想像ができないほど内容がとても濃く、コミュニケーションの中で相手に伝わる技術やコツが多く紹介されているため、とても参考になる一作となっております。
このブログを読んでご興味が湧いた方は是非一読頂ければと思います。