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今週の一冊:伝える準備

今回紹介する本は、日本テレビアナウンサー藤井貴彦さん「伝える準備」です。

伝える準備

人生は誤解との戦いです。

コミュニケーションについて書かれた本が多いのは、多くの人が自らの発言で生まれる誤解と戦っているからではないでしょうか。

 

いま、SNSの世界では、ふとした発言がきっかけで多くの誤解が生まれています。

ただ、その誤解も私たちの発した言葉がきっかけです。

会ってみて、話してみて、相手への印象が大きく変わった経験があると思います。

 

使った言葉の補足ができる環境があれば、多くの人がわかり合えます。

アナウンサーは、自分の言葉がどんな印象を与えるか精査しながら日々発言しているそうです。

発する前に精査することそれが「言葉の準備」です。

 

経験が言葉をつくります。

「美しい物を見て、おいしいものを食べなさい」

新人アナウンサーだった頃先輩から聞かされた言葉だそうです。

アナウンサーは「言葉」で仕事をします。

しかし、言葉の強さだけで勝負している訳ではありません。

その瞬間に必要十分な言葉をどんな人が伝えるかが大切なのです。

アナウンサーである前に人として一人前になれという教えでもあったのでしょう。

 

表現のほとんどは経験から生まれます。

使う言葉が素敵であるほど、その人が素敵に見えるのはこのためです。

決して、きらびやかな言葉を使う必要はありません。

自分らしい言葉であればいいんです。

経験を重ねていくほどに「人間性」と「言葉」が融け合う日がやってきます。

 

言葉選びは「洋服のボタン選び」に似ているそうです。

無数にあるボタンの中からどんなボタンを合わせるのかによって服の印象が変わるのと同じです。

言葉もボタン選びのように、たくさんの言葉を引き出しに集めておいて、その人にフィットするものを見繕い、最後に一つに絞っていきます。

 

最も難しいのは「言葉選びの手間」です。

例えば、後輩のパフォーマンスが「いまいち」だった場合にどう伝えるか。

そんな時、藤井さんは前向きに言い換えられる言葉をたくさん考えるそうです。

「あと少しで合格」「もっとやれる人だよな」「いいときと比べると、惜しい」などです。

このように手間をかけて表現に磨きをかけていく「言葉のわらしべ長者」を行います。

この手間暇こそが相手に伝わるエネルギーを生みます。

 

藤井さんは1994年に入社してからずっと日記を書き続けているそうです。

小さな空間に5行だけ。

振り返ると、この日々の積み重ねが言葉選びの土台になっているそうです。

5行だけ書くことにもいくつかのメリットがあります。

 

①すぐに書き終わる

その日の出来事が濃厚だった場合は、書き始めてから1分で終わります。

継続を成功させるには作業がシンプルであることが大切です。

 

②言葉が煮詰まってくる

長年書き続けているとたった5行では字数も限られているため、できるだけ凝縮された言葉で多くの内容を表現したくなります。

書くスペースが限られていることで、日記帳という2次元の平面を深みのある3次元に変える技術が身につきます。

 

③言葉がカラフルになる

少ないスペースで思いを書き記していくと、煮詰まった言葉を自然と探し始めます。

言い換えを模索するうちに見事にフィットする言葉に出会うことがあります。

また、その言葉が気持ちを明るくすることもあるのです。

特に否定形やネガティブな様子を肯定的で表現することが言い換えの醍醐味です。

この快感を一度味わうと、もっといい表現を探すようになり、いつしか言葉のストックが増えていきます。

 

私たちはささくれだった言葉で他人を傷つけてきました。

伝える前に伝わり方を想像することこれが「伝える準備」ですが、ここ最近は、不安や苛立ちからその余裕すらなかったのだと思います。

ほんの少し伝える準備をするだけで、少なくとも自分の周りの雰囲気は変えられます。

その雰囲気が各所で広がれば、批判や暴言を減らせるはずです。

発した言葉があなたをつくるのです。

悪循環を好循環に変えるのはあなたの「伝える準備」です。

興味のある方はぜひ読んでみてください。