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今週の一冊:言語化の魔力

今週ご紹介する本は、「言語化の魔力」です。著者は、精神科医の樺沢紫苑さんです。

本書のテーマは悩みです。

あなたの「つらい」「苦しい」のもとになっている、悩みを分析し解放するために作られました。

言語化の魔術       

樺沢先生は、8年かけて4千件の悩みに答え、人間の悩みを、シンプルに分析できるのではないかと考えました。

似たような質問が毎日送られてくるので、パターン別に分析し、3つの基準で分析できることに気づきました。

そこから「悩みの3つの軸」を使うことで、誰でも自分の悩みを理解し、分析することができます。

今後どう対処すればいいのか、行動するだけで「悩み」はドンドン解消される内容となっております。

 

実は、悩みを持っている人の割合は、4人に3人が悩みをもっていて、今もつらく苦しい思いを抱えているそうです。

その内容がほとんど同じようなことで悩んでいるというのです。

逆に悩みがないと答えた人が、約4分の1もいることも驚きです。

そもそも悩みとは何なのか?

辞書で引くと「思いわずらうこと。心の悩み」など書かれていますが、樺沢先生の解釈を加えると「困難で苦しい問題に直面し、「どうしよう?」「どうしたらいいんだ?」と前に進めず停滞し、足踏みしている状態」のことです。

この「前に進めない」「停滞」「足踏み」こそが、悩みの本質と考えられます。

困難な状況においても、少しでも前進しているならば、状況は改善し、悩みは徐々に軽くなっていきます。

 

悩みの3徴

特徴1:ネガティブ感情「つらい、苦しい」

悩んでいる人は、つらい、苦しい、というネガティブな感情に支配されている点で共通しています。

「つらい」「苦しい」「不安だ」「逃げ出したい」など、それは、非常にストレスフルな状態といえます。

重要なのは、「トラブルや問題=悩み」ではないことです。

悩みを解消するのに原因(トラブルや問題)を取り除く必要はないという事です。

笑顔で言えるようになれば、悩みの9割は解消されたも同じです。

 

特徴2:対処法がわからない「どうしよう」

悩みを抱える人が必ず口にする言葉があります。

「どうしたらいいかわからない」これを言いかえると「対処法がわからない」ということになります。

これがわからないと、目前の悩み、苦境、トラブルに対して、何も行動を起こすことができないのです。

悩みを抱える人は、どうしていいかわからないから不安になり、パニックに陥るのです。

「対処法」が明確であれば、それを行動に移すだけでいいのです。

 

特徴3:停滞、思考停止「どうしようもない」

人は、閉塞感や絶望感を覚えたとき、どうしようもない、どうにもならない、と言って呆然と立ち尽くしてしまうものです。

いわゆる「頭が真っ白になる」という状態です。

これは、不安によって脳内物質のノルアドレナリンが過剰分泌されることが原因です。

この停滞を少しでも改善できれば、閉塞感や絶望感は消えていきます。

停滞から一歩踏み出すだけで、悩みの9割は解消したようなものになります。

 

 

悩みを分析する3つの軸

1.コントロール軸:コントロール感を取り戻す言葉

その悩みは、コントロール可能ですか?

ほとんどの方は、コントロール不能と思っているから悩みます。

そんな時、コントロール感を取り戻す言葉をご紹介します。

「なんとかなるさ」不思議に思うかもしれませんが、脳科学的には必然のことです。

人間は危機を察知すると脳の「偏桃体」という部分が興奮し、危ない!と警告します。

言葉や言語は、脳科学的に不安を鎮める効果があるのです。

なんとかなる、何度もつぶやくことで言語情報によって脳の興奮は沈静化され、プラシーボ効果も加わり、さらに、落ち着いた気持ちになるというわけです。

「なんとかなるさ」とは、非常に楽観的な言葉です。

不安を減少させて、安心につながるからです。

 

2.時間軸:今にフォーカスすると悩みは消える

過去の出来事を思い出して後悔する。

または、未来、将来のことを考えて不安になっている人がとても多いです。

考えるべきは、今、できることは何か?です。

帰宅してから、仕事で6時間前に5分怒られたことを思い出して、落ち込んでいませんか?

それは、自ら率先して、苦痛の再生をしているのと同じです。

苦痛の再生で、悩みを作り出し、小さな苦痛や不安を何度も思い出すことで、自ら増幅させています。

このように何度も思い出し、落ち込んだ時は、「今」に意識を向けることです。

「今」にチューニングするだけで、後悔は、安心に変わります。

また、 過去を振りきる究極な言葉、「それはそれとして」という考えです。

過去を思い出して後悔するのは、時間の無駄です。

脳は、過去の出来事、過去の体験に執着しています。

過去のフォーカスしている脳の注意を「今」「現在」にチューニングすることが重要なので、「今できることは?」と続けるのです。

ネガティブ感情を切り替えたいとき、様々な場面に使えます。

 

3.自分軸:自分が変われば悩みは消える

「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる」は、交流分析の創始者としてしられる精神科医エリック・バーンの有名な言葉です。

悩み中で最も多いのは、すでに起こってしまった過去についての悩みであり、他人との人間関係の悩みです。

これらが多い理由は、自分でコントロールできないからです。

世の中の4割の人が、他人を変えたいと思っている。

「コントロール不能」である「他人を変えよう」と無駄な努力をして、エネルギーを消耗しようとしているのです。

「人間は変えられないけれど、人間関係は変えられる」

人間関係とはコミュニケーション。

キャッボールのようなものです。

キャッチボールをすると肩が温まってくるように、人間関係も温まってきます。

相手のことが好きだろうが、嫌いだろうが、キャッチボールを続けていくと、人間関係は改善していきます。

 

悩みというのは、漠然としたものです。

ただ、漠然としたままだと、いつまでたっても、どう対応していいかわかりません。

そこで、コントロール軸、時間軸、自分軸の3つに軸を使って分析し、現在や自分に寄せて考えることでコントロール率は高まり、悩みの解消に役立てることができます。

 

コロナ禍で人と会う機会が減ってしまい、日本人のコミュニケーションが危機に瀕しています。

それを打開する重要な鍵が「言語化」です。

この言語化が習慣にとなれば、私たちのコミュニケーションは円滑になります。

人間関係を改善し、少しでも生きやすくなることを願い、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。