「嫌われる勇気」のご紹介
- 2020年04月07日
- カテゴリー:本の紹介
当院のブログをご覧の皆さんこんちには。不定期更新の回です。
本日は、ベストセラーにもなった「嫌われる勇気」のご紹介をしていきます!
ベストセラーにもなったので、タイトルぐらいは聞いたことがあるかもしれませんね。
こちらの本は岸見一郎さんという哲学者であり心理学者さんが書いたもので「アドラー心理学」についてわかりやすくまとめた本になります。
心理学と言えば、ユングやフロイトが有名ですが、アルフレッド・アドラーという心理学者が創始したのが、アドラー心理学であり「個人心理学」や「勇気の心理学」と呼ばれています。
本の中では、教授と若者の二人の登場人物がディスカッションをしながら、若者の悩み・質問に対して教授がアドラー心理学を用いて答えていく物語調になっており、大変読みやすくなっております。
さて、アドラー心理学にはその他の心理学とは一線を画す特徴があるのですが、独断と偏見でそちらをご紹介しましょう。
①目的論と原因論
原因論とは、「AだからBである」というように原因があって結果があるもの。
目的論とは、「CのためにBである」というよう目的のために現在があるもの。
簡単に言うとこんな感じになるのですが、なんとなくわかりますか?
もう少しかみ砕いて、本にあった例を参考にさせてもらうと
引きこもりの人を原因論からみてみると「過去に何かしらの嫌な事、失敗したこと(原因)があり、それがトラウマとなって部屋から出られない(現状)」となります。これを目的論からみると「嫌な事や失敗しないため(目的)に、部屋から出ない(現状)という選択をしている」となります。
人は何かあった時、自分の外にその理由を求めがちですが、目的論では理由は内にあるということになります。つまり今の自分があるのは、それを自分が望んだからであり、また選んできたからということです。
なかなか厳しい考え方かと思いますが、見方を変えれば、今の自分で満足できず、もっと良くなりたいと思っているのであれば、自分自身でどうにでもできるということでもあります。本の中でも「今もしも自分の事を不幸だと思うのならば、それは自身が不幸であろうとしているだけで、今この瞬間からみな誰もが幸せになることができる」と言われています。
②褒めない・叱らない
皆さんは、子供や部下、その他誰かが、何か良いことをしたら褒めたり、悪いことをしたら叱ったり(怒ったり)してますか?
コレこの本では、やってはいけないと書かれています。
褒めることは、相手の事を下に見ている、悪い言い方ですが、相手のことを見下しているのと同じようなことです。
通常褒める時というのは、相手ができないことを前提にしており、できないと思ったことができたから褒める行為に繋がります。
これが対等な関係であれば、褒めるのではなく、感謝になりませんか?何かをしてくれたことに「ありがとう」と自然に出てきますよね?
しかし、相手にはできないだろうと思っていると感謝よりも先に褒めることになります。
そして言ってもやってくれないから人は「叱る(怒る)」ようになります。これは、相手を自分のコントロール下において、言うことを聞かせようとしているわけです。つまりは自分より下にその人を置こうとしているのです。
また、褒めて叱るいわゆる「アメとムチ」の効果はその場限りであることを忘れてはいけません。
アメとムチを続けていると相手の人は「褒められるから、叱られるからする」というように見返りがなければ、何もしない人になってしまいます。
やっても自分の得にならないとか損をしたくないとかで動く人をなんと呼びますか?
③他人の評価を気にしない、承認欲求の否定
テストでいい点を取って親に褒められたい。仕事で大きな契約を取って上司や周りの人に認められたい。
といった感じで、誰もが誰かに認められたいと思っています。
この欲求は、承認欲求と呼ばれるもので、マズローの五大欲求でも言及されているので、そちらも参考に。
アドラー心理学では、この承認欲求は必要ないものであるとしており、その理由を前述の「褒めない、叱らない」にあるとしています。
「褒められるからいいことをして、叱られるから悪いことをしない」裏を返せば「褒められないからいいことをしない。叱られないなら悪いことをする」といったように自己中心的な考え方に繋がりかねないと警鐘を鳴らしています。
このことからアドラー心理学では、承認欲求に対して、否定的な立場にあります。
まとめ
他にも紹介したい特徴、考え方があるのですが、少し長くなってしまったので、今回はここまでにしておきますが、どうだったでしょうか?
アドラー心理学は、個人的には大変好きな考え方の一つであり、この本も2、3回は読み返しました。
物事には、1つの事実と複数の見方・考え方があります。この見方・考え方を少しでも良い方向へ向けられると、人生って楽しみや幸せなことがたくさん見つかると思います。
そんな見方・考え方の一つとして、アドラー心理学「嫌われる勇気」をご紹介させていただきました。
つたない文章でしたが、ここまでお付き合い頂いた方ありがとうございました。
次回も本の紹介があるそうなので、お楽しみに!