スポーツ障害について~ランナー膝~
- 2019年10月08日
- カテゴリー:痛みの原因と対策
こんにちは。
秋晴れの爽やかな日がつづき、気持ちのいい秋風が吹き渡るころとなりました。
皆さん季節の変わり目で体調を崩されていないでしょうか?
近頃では、風邪をひく方も目立ち始め、また学校でもインフルエンザが
出始めているようなので、体調管理を怠らないようにしましょう。
さて今月はスポーツの秋にちなみに、
『スポーツによる使い過ぎの怪我』
をテーマにブログを更新してまいります。
今回はマラソン(ランニング)などに多い走りすぎによる怪我、
『腸脛靭帯炎(ランナーズニー)』です。
最近のマラソンブームで、全国各地で市民マラソン大会が開催されており、
多い方ですと、年に12回も参加するそうです。
ランナーの皆さんは、年に何回くらい参加されているのでしょうか?
群馬県でも毎年恒例、11月3日に群馬マラソンが開催されますが、
県内だけでなく、県外から参加される方が増えております。
楽しくマラソンライフを送るために、ランナーズニーを理解して予防しましょう。
1.腸脛靭帯炎になるメカニズム・原因と症状
いわゆる腸脛靭帯炎はランナーズニーといって、靭帯に炎症が起こる膝の障害の一つです。
骨盤から太ももの外側を通る大きな靭帯で、膝の外側のやや下のすねの骨までつながっている靭帯です。
ランニングなどのスポーツでの使い過ぎ(オーバーユース)、走ったり、しゃがんだり、
膝の曲げ伸ばしをすることで、太ももの外についている腸脛靭帯がすねの外側の骨と擦れるため、膝の外側に炎症が生じ痛みが出ます。
特にマラソンなどの長距離ランナーに多くみられますが、マラソン以外でも、バスケットボール、自転車、登山などをする方にも多くみられます。
必ずしもスポーツをしなくても普通の生活の中でも起こることもあり、これは筋肉や腱の使い過ぎが原因であることが多いのです。
2.症状
はじめのうちは、ランニング後に痛みを感じ、休むと治ります。
走り始めでなく距離の増加とともにでる痛みで、症状が進むと痛みは徐々に大きくなり、休んだだけでは治らなくなります。
さらに重症化すると、膝関節を曲げたり伸ばしたりが困難となり、膝関節を伸ばしたまま歩行するようになります。
放っておいてもよくはならないので早めの改善が必要です。
3.原因
①ランニング時の下肢のアライメント不良
骨盤が歪むことで骨盤とつながっている脚の動きが正常と変わるため、靭帯を緊張させ硬くしてしまいます。
緊張し硬くなった靭帯が骨との接触で、こすれて炎症を起こします。
なので、骨盤の歪みが腸脛靭帯の根本的な原因であると考えられます。
- ②ランニングフォーム
ランニングの際のつま先が進行方向に真っすぐになっているか、内側を向いているか、外側に向いているかでも痛みの起こり方は違います。
なる方の多くはつま先が外側を向いている方に腸脛靭帯炎になるケースが多いといわれています。
つま先が外側を向くと、膝から下の骨が内側に捻られ腸脛靭帯にストレスをかけるようになります。
この状態がO脚を強調するように働き、さらに外側の緊張を強くします。
明らかにO脚などがある場合は外側を少し高くしたインソールの装着を考える必要もあります。
③大腿の筋肉の柔軟性の低下
腸脛靭帯、骨盤と脛の骨の外側をつないでいますが、骨盤に近い方に、お尻の大きな筋肉(大殿筋)とズボンのポケット辺りにある筋肉(大腿筋膜張筋)が
ついており、この2つの筋肉が疲労し、柔軟性が低下するとその先にある腸脛靭帯の張りが強くなり、また、この部分だけでなく大腿四頭筋、ハムストリングスも緊張が強くなり、ランニングフォームが乱れ、疲労が蓄積すると身体全体に悪影響がでるので、特にランニング後は入念なストレッチを心掛けましょう。
4.環境要因と予防対策
走る場所にも注意が必要です。
- アスファルトなどの硬い路面、坂道や路肩の傾斜のある面を避け、芝や土などの弾力のある走路を選びましょう。
硬い路面や傾斜を走ることで膝だけでなく、身体も外にブレると靭帯と骨が擦れて痛みがでるからです。
道路などは水はけをよくするために道路中央に対して路肩のほうが下がっています。
腸脛靭帯炎の人が痛いほうの脚を道路の外側にして走ると症状を悪化させる原因にもなります。 - 一方向だけでなく、反対方向にも走るようにすることで炎症の予防にもなります。
トラックで走る方も同様です。 -
硬いシューズや摩耗の激しいシューズも脚の軸を内側に傾け症状を悪くさせると考えられています。
シューズの外側がすり減っていると靭帯を痛くさせます。
また、シューズを替えた方も走った直後に痛みがでるケースが多いです。
ソールのクッション性選びの際は、自分の足や体力に合ったものを選ぶようにしてください。
シューズの中には安定性をよくするため、一部を柔らかくしたもの、軽さを重視したクッション性が低いものがありますが、人によりそれが負担になる場合もあるので、購入する際は、ショップのスタッフか専門の先生に相談してください。
ランニングフォームを見直してみることも改善の一つです。
足の外側接地すると腸脛靭帯に負担がかかり、脛の外側の骨と擦れます。
痛みが強い場合は中止して安静にしてください。
ランニング開始時はストライド走法(歩幅の大きい)は避け、なるべく歩幅の短いピッチ走法で走るように。
また、走る際に足の上下運動をすると乳酸がたまるので、上下をしない走り方も考えましょう。
5.ストレッチ
痛みができにくい身体づくりをするために、運動後のケアが大事になります。
腸脛靭帯は中殿筋と大腿筋膜張筋とつながっています。
それぞれ太ももの外側・内側・前が伸びる感覚がでたらはじめはゆっくり30秒行ってください。
整形外科に行ってよくならないのは、痛めているところだけを見て、症状を抑えることしかしないからです。
腸脛靭帯炎・ランナーズニーは、膝の外側に痛みがあり、炎症もあるので症状を抑えるために、鎮痛剤やシップを処方します。
ですが、これだけでは本当の原因を改善したことにはなりませんし、根本的な原因となるところを改善しないと再発したりします。
そのうち治るだろうと放っておくと、症状が悪化し、膝や腰を動かせる範囲が狭くなり、日常生活に支障が出る恐れがあります。
ふなと川接骨院では、膝の痛みの症状は脚のバランス不良、骨盤の歪みからくる症状ととらえています。骨盤の高さが違うと脚の左右の長さも違い、そこから身体全体のバランスが崩れ、あちこちに痛みがでてきてしまいます。
患者様の根本的な原因を見つけ、身体の中心・土台である骨盤を優しい力で矯正し身体全体のバランスを整える施術を行っております。
小さいお子様から年配の方や、妊娠中の方でも安心して受けられるので、この機会に、日頃の身体のことでお悩みのある方は、ぜひ当院にご相談ください。